雑's ニュース なんでも書く

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梅雨になると「言の葉の庭」が見たくなる

梅雨に入り、朝から雨が降っている。新海誠監督のアニメ映画「言の葉の庭」(2013年)を見たくなった。もう3、4回目くらいになるか。

主人公の二人が東屋で落ち合う雨の日の新宿御苑が、葉一枚ずつ丁寧に微細に描かれている。屋久島を思わせるしっとりとした優しい緑に包まれ、実際よりも格段に魅力的に見える。

時折、御苑を上空から鳥瞰。近くに建つドコモタワーの尖塔部からの視点が差し込まれたり、ライトアップされた都庁が入ったり、都会の中にある異空間であることをたびたび実感する。

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感想(15件)

大人びて育った高一男子は、雨になると1限目をサボり新宿御苑の東屋で過ごす。雨を感じていたいから、地下鉄には乗らず外を歩くのだ。

その東屋で出会ったのが、朝から缶ビールを飲んでいるOL風の女性。雨の日だけの逢瀬だがお互いに引かれあっていく。ついこの間まで再放送されていたテレビドラマ「中学聖日記」(TBS系、2018年)と違って、節度ある二人の距離感が好ましい。

早く大人(靴職人)になりたい男子にとって、毎日の学校生活は身の置き場がなく、なんとなく居心地の悪いところらしい。一方、女性が抱えている問題はより深刻であった。

「年の差」に世間は厳しい

話は少し脱線する。中高生と年の差がある大人との組み合わせは性別に関わらず、「あり得ない」「キモい」等のきつい批判が出てくるのがつきもの。

少年少女しか愛せないなら大問題だが、前述したような節度ある距離感を保ち、相手の成長を待てるならステキな関係だと思う。かなり難しいだろうけど。

フィクションであっても絶対に許せない層がいるのは、異性の子供を持つ親の心境なのか。こればかりは想像しても分からない。

ズブ濡れになる二人

シトシトと優しい表情を見せていた雨の日の新宿御苑だが、ストーリーの展開部では一転してスコールが降ってくる。傘を持たぬ二人は「川を渡ったように」ズブ濡れに。

たとえ心に秘めた恋でも、ひと波乱あるのが恋愛なのだなぁ、と思いながら見ていたが、いやそもそも映画だし、と自分で突っ込みを入れてしまうことに老化を感じる。

45分という長さが秀逸。主人公らがそれぞれに抱えた問題は描き切れていないが、それぐらいの方がいつまでも楽しめてちょうどいい。まだまだ飽きそうにない。

最後に新宿御苑での飲酒は禁止されている旨の断り書きが出てくるが、マツコ・デラックス曰く「二丁目のオカマが原因よ~」。実際どうなのか。雨に濡れる緑を眺めながら缶ビールを傾けてたらいくらでもいけそうだ。