安倍さん辞任…アピール上手なだけの政権だった?
安倍晋三総理大臣が辞任を表明した。今となっては、第2次安倍政権はアピールが上手なだけだったという印象しか残らない。
サミットで手酌してた
イザナギ景気を超えたとされ、最大の成果と散々喧伝していた「アベノミクス」。実は戦後最長ではなかったと先月末に認定された。収入は下がり続けるし実感なかったもんな。歴代最長の連続在任日数というのも幻だったりして。
在任期間が長かったことで外交成果を前面に出していたが、海外メディアが編集したどこかのサミットの映像を思い出すなぁ。
カジュアルな昼食会で各国首脳が杯を交わす中、一人手酌する姿が世界に流れた。世界に一目置かれる風を装ってきたけど、官邸のチェックが入らないとこんなものかい。
トランプ大統領との親密さも盛んにアピールしてた。だけどね、選挙戦で過激な言動が目立っていたトランプさんは世界中から総スカンくらっていた。それを好機といち早く擦り寄っていった狡賢い印象が強いし、他国からどのように見られていたのか分かったもんじゃない。
韓国に示した強い態度に快哉を叫ぶ人もいたが、揉めるだけ揉めて落としどころが見えていないのは政治家としていかがなものかいな。
イランでは面目丸つぶれ
アメリカとイランと間で緊張が高まったときにイランを訪問したこともあった。このときは確かに世界の注目を集めたものの、会談のすぐ後に日本籍のタンカーが攻撃され面目は丸つぶれだった。
北方領土問題の解決に意欲を示しても話題になるのはプーチン大統領と会った回数ばかり。
北朝鮮の拉致問題も進展はまったく見られず。就任時の期待が大きかっただけに横田めぐみさんに会えないまま御尊父が亡くなられたときには多くの人が涙を流した。
小池さんが強力アシスト
リオデジャネイロ五輪の閉会式に登場した時は世界中のメディアが度肝を抜かれた。と言っても悪い意味で。
政治利用を厳しく禁じた五輪憲章に抵触する恐れがあったからだ。日本では好意的に報道されていたが実際はバカにされていた可能性が高い。
そんな政権がなぜ歴代最長になり得たのか。安倍さんとそりが合わないとされる東京都知事・小池百合子さんの貢献が大きい。
民進党と希望の党が急転直下で合流して迎えた衆院選。自民は大苦戦し、安倍さんもいよいよ命運尽きたかと思われた。
ところが中盤に入って飛び出した小池さんの「排除」発言のおかげで大勝しただけでなく、野党分裂という結果をもたらした。
おかげで安倍さんは二大政党制における盤石な体制を築くことができたのだ。
太閤殿下を思い出す
モリカケや桜を見る会の問題が浮上しても、狂気じみた籠池夫妻のキャラクターに誰もが目を奪われたり、首相自身よりも官僚や夫人、政治家全体の資質が問われたりして、なんだかんだ乗り切った。
新型コロナがなければ、戦後最長と東京五輪を花道に勇退だったろうに。気の毒にも思うけれど、アベノマスク、コラボ動画、Go To トラベルと最後に続けざまに愚策を見せつけられてしまうと…。安倍一強とまで言われて恐れられてたのにね。
天下統一を果たしながら甥・秀次の処刑、朝鮮出兵で評判を落とした豊臣秀吉を思い出す(安倍さんと比べては太閤に失礼か?)。為政者こそ晩節を汚してはいけないね。