今の政治家がマシに見える? 酒乱で人をあやめた総理大臣がいた
第2次政権の連続在職日数が歴代最長となった安倍晋三総理大臣だが、新型コロナの感染拡大以来やることなすこと失策ばかり。健康不安が噂されるなど政権末期の様相を呈してきた。
お友達内閣と揶揄され続け、昨年9月からの改造内閣はとくに酷い。首相補佐官を務めた側近で法務大臣に就任した河井克行さんは、妻で参議院議員の案里さんと共に選挙違反で逮捕・起訴されている。
第2代総理大臣・黒田清隆
そんな安倍さんも第2代総理大臣・黒田清隆に比べたらマシに見える。薩摩出身の黒田は戊辰戦争で功を上げ、藩閥政治で要職を重ねていったものの、エピソードを見ればその資質はあったのか疑問になる。
手の付けられない酒乱だったようだ。北海道開拓長官時代には商船に備え付けられた大砲を面白半分にぶっ放し、家屋を破壊して住民を死なせている。これは示談金で解決。しかし、妻を日本刀でぶった斬った疑惑が持ち上がった際は新聞が連日書き立てたという。
このときは薩摩の重鎮・大久保利通が警察トップを使って病死と発表させて揉み消しを図ったとされる。西郷隆盛による西南戦争の影響で薩摩の力が低下する中、黒田まで失うわけにはいかないという判断があったらしい。
官有物を安値で払い下げ
いまの政党のように薩摩と長州の間でも激しい主導権争いがあったわけだ。不祥事が発覚した閣僚をなかなか首切りできないのと同じ事情か。
黒田は酒乱の末に人の命を奪っただけでなく、開拓使の廃止に伴って船舶など官有物を安値で払い下げた疑惑も持たれていた。
そんなスキャンダルまみれの人物が1888年に内閣総理大臣に就任。しかし、欧米列強との間で結ばれた不平等条約の改正に失敗した上、当時外務大臣だった大隈重信が爆弾テロに遭うなどして1年半で辞職した。
散々なエピソードが残る半面、黒田は戊辰戦争では敵だった榎本武明に降伏を勧め、助命のために自らが剃髪するなど仲間思いで情に厚かったという。
気になる裁判2つの行方
安倍政権においては、国有地を格安で売却したとされるいわゆる森友問題が浮上し、公文書改竄に関わった財務省職員が自殺。職員の妻が当時の理財局長と国を訴えている。
また、あす初公判を迎える河井さんが法務大臣に就任したのは、妻の案里さんが参院選で安倍さんに反抗的なベテラン議員を落選に追い込んだ論功行賞とも言われている。
どちらの裁判も気になる。