河井夫妻は鉄砲玉か? 「仁義なき戦い」代理戦争は続いてた
半年ぐらい前まで法務大臣を務めていた衆院議員の河井克行さんと妻で参院議員の案里さんが公職選挙法違反の疑いで検察当局に逮捕された。国会議員の夫婦がそろって逮捕されるなんて聞いてことがない。オラ、ワクワクすっぞ。
案里さんの選挙運動でウグイス嬢に法定上限の倍の報酬を払っていた問題を週刊文春がスクープしたのが昨年10月のこと。それから克行さんの法務大臣辞任、現金買収疑惑の浮上、検察庁法改正に対する反対運動、東京高検検事長だった黒川弘務さんの辞任…と一連の流れからの逮捕劇。まるで筋書があるみたい。ドラマか映画なら、さらに大物まで捜査の手が伸びるところだ。
法改正をしてまで政権寄りとされる黒川さんを検察トップに据えたかったのは、河井さんを守るためという穿った見方もしていたけれど、まさか身柄まで拘束するとは思っていなかった。
ぎゅうぎゅうに搾り上げて余罪を追及しちゃう気かな。関係先の家宅捜索で新たな疑惑が浮上するのかな。ドキドキする。
世情をみれば、それどころじゃないんだけどね。新型コロナの第二波が心配だし、東京五輪だって来年どうなるか分からない。先行きが不透明なだけに、本来ならば政府はしっかりと安定しててほしいところだ。
地元議員から距離
案里さんが初当選した昨年7月の参議院広島選挙区(定数2)は、数少ない激戦区の一つだった。
自民現職の溝手顕正さんと新人の案里さんが2位当選を争うという分裂選挙は、自民大物議員の代理戦争と受け止められ、任侠映画になぞらえて「仁義なき戦い」として盛んに報道された。
地元の自民党県連が推す溝手さんの優勢が伝えられる中で、最終的に僅差で案里さん勝利したのは、公明党が案里さんの支援に回ったからだとされる。
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若手の女性候補ということで浮動票もだいぶ流れただろう。当選したとはいえ、最初から地元の自民関係者からは距離を置かれていた感があった。
贈収賄や買収といった事案は、当事者さえ口をつぐんでしまえば明るみに出ないものだ。なのに程なくして選挙違反が文春にリークされたのは、「仁義なき戦い」が続いていたことの証し。
選挙中から情報を集めてたのかもしれない。親分の年齢を考えれば、次の選挙まで待てないわな。
リークは敵討ち?
河井夫妻の逮捕容疑となった買収についても、100人近い地方議員らが現金を渡されたことを認めているのは異例中の異例。落選した溝手さんの敵討ちと見えなくもないし、案里さんが連座制で議席を失えば、溝手さんが繰り上げ当選となる運びだ。
克行さんの妻として報じられる案里さんだが、広島県議会議員を4期務め、知事選に立候補したこともある。国会議員に進出したはいいが、それらしい活動する間もなくこれまでのキャリアを失うことになった。
代理戦争に巻き込まれたことから始まった事件と考えれば、犠牲になった鉄砲玉の一人と言えなくもない? 逮捕前は検察当局と徹底抗戦の構えを見せていたようだけど、取り調べでどのような供述が出てくるのか楽しみだ。