小池知事の圧勝ってホント? 東京アラートが知らせたもの
東京都知事の小池百合子さんの施策に批判が集まってきた。きっかけは「東京アラート」。新型コロナの感染拡大だけでなく、皮肉にも自身の不人気も知らせることになったようだ。
「アラートって分かんないんだよな。橋が赤くなるだけだろ。レインボーブリッジが赤くなるって、お台場周辺の人にしか分かんないよ」
爆笑問題・太田光さんの「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ、火曜午前1時~)での発言だ。小池さんが東京アラートを初めて発動し、レインボーブリッジと都庁を赤く染め上げた日の未明のことだ。
6/4の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系、月~金曜午後1時45分~)でも司会の高橋克実さんが「何かおどろおどろしい大鳥居みたいな感じで怖い」と不快感を示した。
高橋さんは見物人がお台場に集まっていることに関しても「違うものを赤くすれば人もたからないんじゃないの。小池さんのマスクが赤くなるとかさ」と苦言を呈した。
大阪の通天閣や太陽の塔のように庶民が身近に感じられるランドマークは選べなかったのかね。真っ赤な都庁なんてまるで伏魔殿だよ。ラスボスはあなた?
「夜の街」という表現
ところで、前任都知事になる舛添要一さんが、小池さんが東京アラート発動の方針を決めた6/2のツイッターに「何のための基準か。都知事が気ままに決められるのか」と綴っていた。何も響いてこないのは何でだろう。
公用車を好き放題に使い倒し、家族の遊興費を都につけ回してた疑惑を覚えているからか。週刊誌で小池さんとの下世話な記事を読んでしまったせいかな。舛添さんはしばらく都政に関するコメントは出さないでほしい。嫉妬か?などと穿った見方をしてしまう。
だからといって小池さんを擁護する気持ちにはなれない。実は小池さんが「夜の街」と口にする度に不快な気持ちになる。追随するメディアに対してもだ。ライトアップしたレインボーブリッジに象徴されるセレブ層が"下々"を見下しているかのようにも感じるからだ。
政界渡り鳥の異名
日本新党→新進党→自由党→保守党→自民党→希望の党と、時の権力者を渡り歩いてきたといわれる経歴からそう見えてしまうのか。当人は「関与した人が権力者になる」と否定してはいるが。
いや、それだけじゃない。志村けんさんの死去を「最後の功績」と述べた無神経さ、配慮に欠けた「夜の街」という言葉の選択、希望の党を大失速させた衆院選での「排除」発言―。諸々の対応を見るにつけ、人をカテゴライズしたがる選民意識を小池さんの根底に感じてしまうのだ。
メディアから発言が度々注目されるラサール石井さんは6/4のツイッターに「雰囲気で外出自粛を解除して、また感染が増えてきたら東京アラートって都庁を赤くそめるだけ」「満員電車はそのままで『夜の街』だけ悪者にする。小池さんは何もやってないに等しい」などと綴っている。たまにはいいこと言うなぁ。