雑's ニュース なんでも書く

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RCサクセション「COVERS」の衝撃! テロ国家も親会社も怖くない

検察庁法改正案を巡り、芸能人による政治的メッセージの是非が注目されているが、RCサクセションのアルバム「COVERS」(1988年)が与えた衝撃も凄まじかった。

「俺の下着には武器が隠してある」「彼女が乗った飛行機を爆破した」。洋楽カバーを集めたアルバムの4曲目に収録された忌野清志郎さんによる「シークレット・エージェント・マン」の訳詞だ。

曲の冒頭に大韓航空機爆破事件の実行犯の一人、金賢姫工作員の会見での音声が流れており、世界を震撼させた前年のテロ事件との関連は明らかだった。

当時、北朝鮮は韓国による自作自演の陰謀を主張し、国内でも社会党(現社民党)が機関紙で「日米韓、バーレーンによる国際的詐欺」と報じるなど事件を巡ってまだまだ騒然としていた。

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発売中止がニュースに

収録曲の中では、放射能汚染で牛乳が飲めなくなることを案ずる「ラヴ・ミー・テンダー」や、原発反対を訴えた「サマータイム・ブルース」に注目が集まっていたが、「シークレット…」を聴いて、テロ国家を刺激するのも厭わない勇気と危うさにとても興奮したことを覚えている。

原発企業を親会社に持つ東芝EMIは新聞に全面広告を出して発売中止を発表。代わりに古巣のレーベルからリリースされた「COVERS」はバンド史上最高の売れ行きを記録。それらの過程は新聞やテレビで社会ニュースとして報じられた。今回の検察庁法改正案と同じくらいのインパクトがあった。

ロックの歴史を辿れば政治的メッセージを込めた曲は珍しくもなく、シブヤ系にも影響を与えたスタイル・カウンシルもオシャレなサウンドに乗せてバリバリの政権批判を行ってたわけだから、いかに日本の音楽業界が遅れていたのかが想像できる。

右も左もブッタ斬り

さて検察庁法改正案でも、野党が小泉今日子さんに秋波を送ったように、政党が比例候補の目玉として時の人に出馬を打診するのはお約束のようなもの。もちろん忌野さんには声がかからなかった。

ギーンギーン

ギーンギーン

  • provided courtesy of iTunes

そりゃそうだろう。保守から革新までぶったぎり。程なくして結成した覆面バンド「THE TIMERS」では、アルバム収録曲の「ギーンギーン」で国会議員全体をおちょくってたのだから。さすがキヨシロー! 愛してます!