賭けマージャンを文春にリークしたのは? 妄想してみた
検察庁法改正案を巡り、渦中の人だった東京高検検事長の黒川弘務さんが辞表届を提出した。理由となった新聞記者たちとの賭けマージャンが表面化した背景を大胆に妄想してみたい。
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産経残酷、時事地獄…。就活生向けの業界本に時折出てくるフレーズだ。産経新聞と時事通信社の給料の安さを揶揄している。大手マスコミの記者が皆高給取りと思ったら大間違い。とくに新聞は斜陽産業の代表格だ。認められる経費も年々に厳しくなっていると聞く。
「(産経の社会部)記者は『今日は10万やられちゃいました」とボヤいていた」。賭けマージャンをスクープした週刊文春の記事冒頭に出てきた元運転手の証言だ。自腹なら真っ青になる金額。経費で穴埋めするにもどうやって領収書を集めたらよいのか、頭が痛かろう。
記事には雀荘代わりに自宅を提供した記者が、黒川さんを招く前にATMに立ち寄ったという下りがある。接待麻雀であるからまぐれでも勝つわけにはいかないし、ギャンブル好きという黒川さんの腕前は相当に違いない。涙を誘う。
この記者は優秀だ
不当に虐げられている弱者の声を拾って権力者を糾弾する。マスコミにそんな幻影を抱く人など、もういないかもしれない。実際は情報が集まる権力側の幹部を押さえることを最優先する。そちらの方が圧倒的に効率がよいからだ。
検察庁のNo.2を自宅に招ける関係を築いたとは、この記者さんが相当優秀であることは間違いなさそう。新型コロナ禍で緊急事態宣言が出ている中でマージャン会場を提供した非は否めないが。
このニュースに絡み、賭けマージャンの「違法性」に言及したコメントをたくさん見聞きしたが、そこに触れる気はまったくない。公営ギャンブル、パチンコは許されても、カジノや仲間内のトトカルチョはダメとか、線引きの曖昧さにそもそも胡散臭さを感じているからだ。
まさかの本人説
話を戻して、今回の文春砲は情報源を「産経新聞関係者」としているが、違和感を覚える。ハイヤーの元運転手が証言との記述もあるが、これも不自然ではないか。記事を読むと産経が手配したハイヤーに思えるから、調べればすぐに特定されてしまう。
週刊誌が情報源を守るためにフェイクを入れるのはよくあること。情報をつかんだ記者から取材を受けた関係者が、記事中では逆に情報をタレ込んだことになっていたケースも身近なところであった。
そこで、こんな妄想をしてしまう。リークしたのは、記者本人ジャナイノー、って。
ご機嫌伺いに嫌気?
かつて「防衛省の天皇」と呼ばれ、後に夫婦揃って収賄で逮捕された防衛事務次官がいた。着任の挨拶に来た初対面の記者たちに当たり前のように接待を要求してきたという。
高校野球の取材は主催の朝日・毎日に限らず、各社の新人記者にとって必ず通らなければいけない必修科目。強豪校の監督の中には教え子と大して歳の変わらない新人記者に対し、暗に差し入れを求めてくる輩もいた。ほんの一部だが、マスコミ対応が職務にも関わらず、情報に見返りを求めてくるケースは他にも存在する。
文春の記事によると、産経の記者は検察担当から、裁判担当に配置変えになったばかりのようだ。ギャンブル好きの検察幹部のご機嫌伺いに急遽引き戻され、嫌気がさして何もかも終わりにしたくて、自分からリークしちゃったんジャナイノー。
産経社会部の同僚記者、朝日新聞の元検察担当の社員まで巻き添えにしたわけだから、そんなわけないだろうけど。ニュースを見ながらいろいろと妄想が膨らんでしまった。
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