雑's ニュース なんでも書く

雑's ニュース なんでも書く

ニュース、映画、音楽、テレビ、ラジオ、本…好きなことを書いていく

スナック従業員と常連客は「運命共同体」 新型コロナで関係は?

スナックやラウンジなど「接待を伴う飲食店」に出されていた東京都の休業要請がようやく解除される。ただし、ガイドラインが厳しいようで本来の楽しみを味わうにはまだまだ時間がかかりそうだ。

都心部ベッドタウンと呼ばれる土地に住んでいた時期がある。駅前にレンタルビデオ店も大手チェーンの居酒屋もファミレスもなく、小ぢんまりとした個人経営の店がポツンポツンとある程度だった。

当時は久しぶりとなる単身生活に入ったばかり。糸の切れた凧のように、平日の夜は自宅から半径1km以内のスナックのいずれかに入り浸るような生活を送っていた。

スナックあるある この素晴らしき魑魅魍魎の世界【電子書籍】[ 玉袋筋太郎 ]

価格:880円
(2020/6/16 18:43時点)
感想(0件)

ドアを開けて店に入ると「おかえりー!」と迎えてくれる。ハグハグする場合も。一つ屋根の下で店と常連客が運命共同体を思わせるような異空間。戸籍にバツの一つや二つは当たり前。みんなで傷をなめ合いながら生きてるような感覚だった。

ホステスも常連客も多くは地元で育ち、小中高校が一緒なんてのもザラにいた。昼は近場で働き、地元ラブで東京が大嫌い。休みの日の娯楽といってもドライブするか、パチンコ、スーパー銭湯に行くぐらい。自分のような地方出身で都心に通う勤め人は珍しかった。

居酒屋の大将からは「東京でうまいもん食って帰ってくりゃいいじゃん」と言われることもあったが、まったく縁のなかった人たちとバカな話をしながら夜通し飲んでるのが楽しくて仕方なかったのだ。

ただ、しばらくすると休日の昼間に買い物してるだけで、何人もの知り合いに会う環境が徐々に暮らしにくくなり、3年くらいで引っ越してしまった。実に濃密なコミュニティーで、今でも夢に見ることがある。

「一人で…滑稽だよね」

「接待を伴う飲食店」に対する東京都の休業要請が6/19に緩和されることに伴い、営業再開の準備に追われる店の様子を多くのニュース番組が取り上げている。

6/14の「Mr.サンデー」(フジテレビ系、日曜午後10時~)は、お笑いタレントで全日本スナック連盟会長の玉袋筋太郎さんが経営する「スナック玉ちゃん赤坂本店」に取材していた。

都のガイドラインに沿ったレイアウト変更に頭を悩ます玉袋さん。「本当はお客に来てほしいのに、減らすことに頭を使ってる」とやるせない表情を浮かべる。アクリル板やビニールカーテンを設置し、客同士の社会的距離を確保すると本来30人の定員がたったの9人に。

アクリル板とビニールカーテンで仕切られたカウンター席に座って水割りを作る玉袋さん。水割りを一口飲むたびにマスクを外しては着けるを繰り返す。「滑稽だよね。一人で作って気を使って飲んで楽しくないよね。家で飲んでるのと変わらない」と寂しそうだった。

他人行儀では水臭い

そりゃそうだろう。だってスナックという空間は、店も従業員も常連客もいわば疑似家族の運命共同体なのだから。症状があったり、感染が分かっていたら出勤や来店を遠慮してもらうのは、家の中で隔離するのと同じ感覚。だけど症状が出ていないのに社会的距離を保つなんて、他人行儀で水臭いのだ。

とは言っても、新宿歌舞伎町のホストクラブでクラスターが発生している状況では、用心するのも仕方ないか。スナックは従業員も客も年齢層が高めだからより危険だしね。

かつて住んでいたあの街のあの店のあの人たちはどうしてるだろう。疑似家族なりの新しいルールを作ったかもしれない。みんな無事かな。店は残っているのかな…。

ブログランキング・にほんブログ村へ
★にほんブログ村