34.0℃って故障か? 電子体温計の誤差は想定内だった
計測する度に微妙に値が変わる電子体温計。新型コロナ禍で流行っている非接触式に至っては、あり得ないほどの低体温を示したこともあった。故障を疑ってしまうが想定内のことらしい。
体温計の誤差が気になっていた。熱っぽいのに結果が低すぎると感じた場合、間をおかずに測り直すと上がってることがよくある。なので人と会う外出前は3回測って平均値を取るようにしている。
子供の頃に使っていた水銀体温計の方が正確だった気がする。早退したくて保健室にあったシーツで擦ってみたことがあったが、思うようにならなかったな。
そんなことを感じていたときに医療ガバナンス学会が6/3に配信したメールマガジンを読んで合点した。電子体温計にはそもそも正確性を求められていないとあった。誤差が出て当たり前だったのだ。
MRICという医療ガバナンス学会が配信するメールマガジンに医師が「出口戦略のために」と題するリポートを寄稿している。
新型コロナ禍において、いわゆる町医者が発熱患者らを診察する際の課題や注意点を挙げ、医療従事者だけでなく高齢者と接するヘルパー、ケアマネージャーらに定期的にPCR検査を実施することなどを提案している。
記事はWebでも公開されている(関心がありましたら前述の記事タイトルをクリックしてください)。その冒頭に100年ちょっとになる体温計の歴史が紹介されていたのだ。
非接触式はなお悪い
記事によると、電子体温計には実測式と予測式があり、出回っているものはほとんどが予測式。実測式だと10分かかり、脇の中心に深く差し込まなければならない。使い勝手の悪さから正確さを犠牲にして、予測式が出回っているそうだ。
感染リスクが低いとされる「非接触式」はなお悪いようだ。熱放射の原理を利用しているため、外気の影響を受けやすく高熱の人にしか向かないという。以前、入場ゲートでの検温で34℃と測定された経験があるけれど、そういうわけだったのか。
となると、体温に神経になっているご時世を考えると、水銀式が復活してほしいところ。しかし、使用後に体温計を振る際に破損し、水銀が流出する恐れがあるため、医療現場ではほとんど姿を消したという。
日本で初めて体温計を生産したテルモでも1985年に水銀式の生産を中止していた。健康被害の可能性があるため仕方ないのだろう。ここでも昭和は遠くなりにけり。
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