「お笑い北朝鮮」どこ行った 怒りと恐怖しか感じない
「お笑い北朝鮮」と呼ばれた彼の国は何処へ消えてしまったのだろう。笑えないどころか、恐怖政治が横行する恫喝国家となってしまった。
「自分の目を突くマヌケな呪文」「気がおかしくなったのではないか」「まるで子供のよう」「鼻持ちならない」
北朝鮮を支配する金正恩さんの妹、与正さんが韓国大統領の文在寅さんを罵倒する言葉のセンスが凄い。
それもそのはず。北朝鮮には対外宣伝活動の一環で日がな一日、悪口を考えているエリート集団がいるそうだ。
情報番組で朝鮮問題の専門家が与正さんの罵詈雑言を「翻訳不能」と話していたので、ダメージを与え続けるため常に新しい言葉や言い回しを生み出しているのだろう。
日本語なら「キモい」?
与正さんの話した言葉は、日本語に例えるなら「キモい」とか「キショイ」が当てはまるのではないか。
共通認識がなければ悪口は成立しないわけだが、誰もが知る「気持ち悪い」を見事に進化させている。
以前、SNSに匿名で「きっしょw」と書き込まれて我を忘れそうになるくらい腹が立った経験がある。
最初にこの言葉を使ったのはJKかJCかよく知らんが、北のエリート集団に匹敵するセンスの持ち主に違いない。
対外交渉や諜報活動の最前線に立つ外務省や公安当局は、彼女らを探し出してスカウトすべきだ。名乗り出てくれないかな。
社会主義国あるある話
話がだいぶ逸れてしまった。「お笑い北朝鮮」とは、かつて人気番組を次々と生み出した天才プロデューサーで今はコメンテーターとして活躍するテリー伊藤さんが1993年に出版し、ベストセラーとなった著書のタイトルだ。
映画マニアだった当時の支配者、金正日の演出力に着目。時代がかったプロパガンダやマスゲーム、官製の粗悪品など発展が止まった社会主義国あるある話を盛大に茶化している。
国際的に孤立していた北朝鮮のテレビ局が制作したドラマなどの映像は実質的に著作権フリーということもあり、大根役者を揃えた臭いドラマをワイドショーがこぞって取り上げ、毎日のように皆で大笑いしていた時期があったのだ。
裏では既に拉致など非人道的な国際犯罪に手を染めていたわけで、笑ってる場合ではなかったのだが、当時は「薪にするため木を伐採し過ぎて地滑りが頻発」など最貧国の悲哀が滲むニュースばかり伝えられていた。
髪形を揃えてみては
それが拉致事件が明らかになり、北朝鮮が核やらミサイルやらを持ち始めてから、笑いよりも怒りや恐怖の方が先に出てしまうようになってしまった。兄の正男さんをはじめ、大粛清も頻繁に伝えられる。
正日の後を継いだ正恩さんには、髪型といい、体型といい、お笑いセンスのポテンシャルを感じていただけに残念だ。
かくなるうえは、正恩さんは与正さんに見た目の面白さを追求するよう指導してほしい。側近も巻き込んでテクノカットで揃えてみてはいかがか。そして皆が安心して笑えるよう一刻も早い核・ミサイル開発の放棄および拉致被害者の即時帰国を求むニダ。