雑's ニュース なんでも書く

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明治期の「西洋化」は世界遺産と言えるのか?

韓国政府が世界遺産明治日本の産業革命遺産」の登録取り消しをユネスコに求めている。横やりは不愉快でも、そもそも「これは日本遺産。世界遺産じゃない」という違和感を覚えていた。

明治日本の産業革命遺産」は、福岡など8県11市に残る製鉄所や造船所など23箇所で構成され、2015年7月に世界遺産に正式登録された。

軍艦島」「三池炭鉱」「官営八幡製鐵所」「松下村塾」といった教科書に出てくるものから「橋野鉄鉱山・高炉跡」「遠賀川水源地ポンプ室」「寺山炭窯跡」など馴染みのないものまで玉石混交の印象だ。抱き合わせ商法を思い出してしまう。

西洋以外で急速に近代化した歴史遺産であることがアピールポイントらしいが、西洋化で失われた文化もたくさんあったわけで、歪んだ思考の気がする。ユネスコにしてみれば「申請してきたから登録してやった」程度の認識だろうけど。

殖産興業は誇らしいが

歴史が好きだ。侘び寂びを感じる廃墟も嫌いじゃない。和洋折衷の個性的な西洋館があると、思わず足を止めて見入ってしまうぐらいだ。

明治期の「殖産興業」で先進国に肩を並べるまでに成長したのは、確かに誇らしいこと。そのモニュメントとして産業遺産を大切にせねばと考える。

だけど日本人だけで守れば十分。ユネスコ世界遺産登録を申請するのは、西欧に対し「オラたちアンタらの真似して国をつくっただ。見てくんろ。褒めてけろ」とへりくだっている気がして恥ずかしくもある。

京都・奈良に建つ神社仏閣、唯一の被爆国に残る原爆ドーム白神山地屋久島といった自然に比べても、明治期の産業遺産が「世界? 日本遺産じゃね?」と思わざるを得ない。

所詮、世界遺産登録を起爆剤に観光地として知名度を上げることが目的なのだな、としみじみ思う。国内はもとより海外からも誘客し、ウハウハしたかった関係者の思惑は分かるけど、微妙な資産が増えると、ありがたさも価値もなくなっちまう。

問題先送りのツケ?

明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録される以前から、韓国とは「強制連行」の有無を巡って、ユネスコに横やりを入れ続けてきた。

世界遺産に決まった時の報道を見ると、登録を優先するあまり、日本が歴史問題で譲歩を重ねたとして「禍根を残した」と危惧する保守系メディアの声もあった。

案の定、韓国はそのときの約束が履行されていないことを理由に今になって登録の取り消しを求めている。「強制連行」の有無はさておき、問題先送りのツケが回ってきた感じだ。