雑's ニュース なんでも書く

雑's ニュース なんでも書く

ニュース、映画、音楽、テレビ、ラジオ、本…好きなことを書いていく

法的措置を「便乗」と批判する人たちに言いたい

SNSによる誹謗中傷が原因でプロレスラーの木村花さんが逝去したことに伴い、同様の被害を受けていた著名人が法的措置を取る動きを見せている。

種苗法改正に関するツイッター投稿をめぐり誹謗中傷を受けていたという女優の柴咲コウさん。4月末の投稿に対して内容に誤りがあるという指摘など反対意見が飛び交う中、投稿を削除したことが注目されていた。

柴咲さんは5/27に更新したツイッターで「事実とは異なる投稿、捏造、誹謗中傷、脅迫行為、ミスリードしさらなる事実誤認した記事の作成元」に対して「法的措置も検討しています」と綴っている。

f:id:FrayNEWS:20200529012519j:plain

次にツイッターに連載した「100日後に死ぬワニ」終了直後の商業展開発表を巡り、一部のファンから批判を受けていた漫画家のきくちゆうきさん。本人になりすましたDMも出回るなど悪質な嫌がらせを受けている。

きくちさんは5/27のツイッターで「誹謗中傷、改変DMは大体データ残してあるので、しっかりと対処しようと思っているぞ」と法的措置を示唆している。

的外れな便乗指摘

ほかにも、メンタリストのDaiGoさんは木村さんの訃報から間を置かずにツイッターYouTubeで「情報開示請求で全部たどれるからね。僕は訴訟から勤務先への内容証明送付まで【示談なしで全部やりますよ】」と宣言している。

これらの動きに対して「応援します」など賛同の声が上がる一方で、一部から「便乗」などと批判する声がまたもや出ている。的外れもいいところ。実際に法的措置を取るとなったらどれだけ手間がかかり、そして生活や仕事にどれだけ影響が出ると思っているのか。

以前嫌がらせを受けた筆者は周囲にも脅迫等の被害が及んだため、発見と同時に動いた。内容から犯人に心当たりはあったが、本人に直接苦情しても根本的な解決にはならない。第三者を挟む必要があった。

生活や仕事…覚悟が必要

三者を動かすには客観的に理解してもらえる状況証拠や投稿履歴など集められるだけの情報をまとめる必要がある。それだけでも大変な作業だ。さらに謝罪文に法的効力を持たせるため、ただ謝らせるだけでなく、時系列に事実を書き出し、それぞれ動機も書き添えさせることが重要になる。

その辺りを逃れようとする加害者に対し、第三者経由で何度もやり直しを命じ、最終的には再犯防止のため相手の両親を保証人にしたが、解決までに2週間ほど要した。

その間、締め切りのあったプロジェクトの骨格だけ作って、後は他の人間に任せることにした。しかし、不十分な出来となり後々まで引きずった。後に退職する遠因となったともいえる。

被害のストレスは半端なく、迷惑をかけた周囲へのフォローもあり、とにかくエネルギーを消耗した。

法的措置を検討する著名人に対して「金にモノ言わせて…」という趣旨の意見も多かったが、訴え出るには、自分の生活を犠牲にする覚悟が必要なのだ。「便乗」とか軽い言葉は似合わない。

※体形を揶揄され続けたというグラミー賞アーティスト、ビリー・アイリッシュさんが誹謗中傷に抗議して公開したショートフィルム。とても重たいテーマだけどめちゃくちゃかっこいい。

▼ドラマの話

▼映画の話