見当違いだったコロナ対策…海外の治験生かし第二波へ
海外から新型コロナウィルスに関する調査結果が届いてきた。防疫と経済再興との両立に向けて貴重なデータになりそうだ。
「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系、月~金曜午前8時~)は5/19の放送で台湾とドイツの調査結果を取り上げた。
台湾では一次感染者100人の濃厚接触者約2300人を調査。このうち約20人に二次感染していたが、一次感染者の発症から6日目以降に感染した人はゼロだったという。既に台湾では無症状の感染者の隔離期間を短縮しているそうだ。また、ドイツで実施した培養調査では、ウィルスが他人に感染する力が発症診断から8日目以降はゼロになっていた。
これらのエビデンスが日本でも生かされてほしい。無症状・軽症感染者、濃厚接触者が職場復帰に復帰する目安(隔離2週間)の短縮につながるのではないかと司会の羽鳥さんも期待感を示した
一方、これまでの対応が見当違いだったことには苦言も出た。名古屋大学の小島勢二名誉教授は「日本はもっとも感染リスクの高い一週間を隔離していなかった」と批判し、「第二波では科学的根拠に基づく対策が必要」と提言。白鴎大学の岡田晴恵教授も「早く見つけて隔離しアビガンを与えないと国民の健康被害が大きくなる」と警告した。
「根底から変えないと」
政府が発信した4日連続37.5℃の「誤解」が浸透したことで、爆発的感染の一歩手前まで拡大したことは容易に想像できる。その時点で知見がなかったとはいえ、初期の段階から正しい方向性を示していれば、緊急事態宣言もなくここまで経済が冷え込むこともなかったろうに。
コメンテーターの玉川徹さんは、台湾の調査では発症前の二次感染が一番多かったことに着目。「これまでは発症後の医療を考えてきたが、感染を防ぐには対策を根底から変えないと」と提言した。
番組では、産経新聞の紙面を引用する形で韓国の事例も紹介。完治したはずの感染者が再陽性と診断されるケースが相次いでいたが、再陽性からの感染がないことが確認されたとか。ウィルスと共存する社会のあり方が徐々に見えてきそうだ。