東京を「諸悪の根源」にした都知事のセルフプロデュース力
東京都における新たな1日当たりの新型コロナ感染者数が3カ月ぶりに過去最悪を更新したそうだ。といっても以前とは検査数も検査対象も違うだろうに。
過去最悪と言われても…
まるで緊急事態のように小池百合子都知事の記者対応を中継し、メディアが大きく取り上げる理由がよく分からない。数字の垂れ流しもやめてほしいなぁ。
お約束の口上のように「若者の割合が…」とおっしゃるが、高齢者施設よりもホストクラブ関係者を対象にした検査が増えてれば、そりゃそうなるわな。
高齢者の割合が増えたら増えたでまた別の心配が出てくるわけで、感染のメカニズムがきちんと解明されるまではいくらでも不安材料は出てくるよ。
小言ばかりする上司の話は、いつの間にか耳を傾ける人はいなくなる。小池さんが基準や根拠が曖昧な警告を発し続けた結果、都民も「また何か言ってるよw」という状態になってしまった。
失言に飛びつくメディア
兵庫県の井戸敏三知事が新型コロナの対策会議で「諸悪の根源は東京」と発言したとのニュースには驚いた。
「諸悪」はすぐに取り消したようだし、おそらく前後の発言が切り取られてるだろうから、井戸さんに文句が言いたいわけではない。
その場に居合わせた記者やメディアの編集責任者が「東京は諸悪の根源」という言葉に飛び付いたからこそ、ニュースとして全国に流れたのだ。
政治家としては失言となる不謹慎な表現でも、世間の本音を代弁したとも見て取り、大きく扱ったのだろう。悪意すら感じる。
検査を徹底すれば東京並みに感染者数が増える地域があるかもしれないし、撲滅対象のように「諸悪の根源」と言われるのは都民として抵抗あるが、仕方がない側面もある。
都知事自らが「夜の街」「ホストクラブ」「職場クラスター」などキャッチーなコピーを生み出してはセルフプロデュースし、実効性のある予防策も打たずに危険性ばかり宣伝し続けたのだから。
感染上等 バッチコーイ!
ところでWHOが新型コロナウィルスは飛沫感染ではなく空気感染と言い出した。2mだったソーシャルディスタンスは、10mに延びるとか。この距離を保って社会生活を送るのは至難の技だ。
マスクでは防ぎ切れないというし、もうお手上げ。またSTAY HOMEに戻ったら干上がっちゃう。かくなるうえは感染に耐えうる体を作るしかない? 取り敢えずビタミンDを採って免疫力つけとくか。心許ないなぁ。
自分のように外食しなくとも生活圏に繁華街があり、なおかつ無症状となると、PCR検査を受ける意義も薄れていきそうだ。
気を付けていても、いつどこで感染するのか分からない状態では、自分は人に感染させないという安心材料としての価値は著しく低下してしまう。
withコロナとは「感染上等! バッチコーイ!」の世界だったのか。なんだかとんでもないことになっちまったもんだ。