雑's ニュース なんでも書く

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茜沢ユメル「さくら」のMV撮影秘話 平和を願ったストーリー解説も

シンガーソングライター、茜沢ユメルの「さくら」(2018年、徳間ジャパン)のミュージックビデオ(MV、シネマバージョン)が3月末からYouTubeに公開されている。国や自治体から外出自粛が要請されたことで、恒例行事の花見を我慢しているファンにきれいな陽光桜の映像を届けたいという茜沢さんの思いがあった。MVの撮影秘話やストーリーを紹介したい。

部活の休憩時間を利用

撮影が行われたのは2018年の3月下旬。例年よりも桜の開花が早まって、4月上旬の予定を繰り上げて慌ただしく作業に入り、朝から夕方まで丸一日かかったという。

MVの中で茜沢さんや老若男女のコーラス隊が歌っているシーンは、東京郊外にある中学校の校庭で撮影された。春休み中もサッカー部や野球部が練習しており、昼の休憩時間に場所を借りたという。

天気が良かったのは幸いだったが、ちょうど日差しが一番強い時間帯に当たってしまった。子供たちがまぶしそうにしているのにはそんな理由があったそうです。

校庭に植わっていたソメイヨシノは咲き始めだったが、その後に公園で撮影を行った陽光桜の並木はちょうど満開を迎えていた。映画「子猫物語」(日、1986年)にも参加したカメラマンによる綺麗な映像をお楽しみください。

陽光桜の誕生物語

「さくら」の歌詞は陽光桜の悲しい誕生秘話がベースになっている。陽光は戦時中に青年学校で農業を教えていた教師が25年の歳月をかけ、教え子を戦地に送り出した贖罪と戦死した教え子の供養のために開発した。

教え子が亡くなった南洋、シベリアでも花を咲かせるようにと暑さにも寒さにも強い品種にした。ソメイヨシノのようにパッと散らずに花を咲かせる期間が長いのは「幹につがみつくように命を大切にしてほしい」との思いが込められているからだという。

平和のシンボルとして、バチカン市国をはじめ国内外に5万本以上が寄贈されているとのこと。陽光桜についてユメルさんがコメントした記事が下記のリンク先に掲載されている。

平和のメッセージ

校庭で遊んでいた子供たちが遠くへ走っていき、姿を消すシーンが出てくる。これは戦争へ行った教え子たちを暗喩している。そして、姿を再び現した子供が笑顔で母親のもとへ飛び込んでくる。こちらは戦地から生きて帰還したことの暗喩になっている。

実際は大勢の教え子が戦地で亡くなったという。戦争のない平和な社会のありがたさを伝えるため、MVはあえて悲劇にはしていない。

公園に咲く満開の陽光桜をバックに夫の写真を撮る妻、桜を眺めながら乾杯する男性たち、子供たちと散歩する茜沢さん、聴衆に囲まれたストリートミュージシャン…。ありふれた日常を送れるということが、幸せということなんだよ、というメッセージが込められている。

新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出ている今も、実感できるメッセージだ。そんなことも頭の片隅に入れて何度も何度もMVを見ていただけるとうれしい限り。

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「さくら」は茜沢さんのシングルCD「風になって花と踊ろう」に両A面扱いのカップリング曲として収録されています。

 

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