深田恭子の「富豪刑事」 アイドル寿命は本当に延びたなぁ
ドラマ「富豪刑事」第1シリーズをコンプリート。昨年「ルパンの娘」に出ていた深田恭子さんの方が可愛いではないか。アイドルの寿命は本当に延びたなぁ。
▼第1話「富豪刑事の囮」
amazon primeの見放題に入っていたので、ドラマ「富豪刑事」(テレビ朝日系、2005年)をこのところ視聴していた。このたび第1シリーズ全10回をめでたくコンプリート。大変面白かった。
バカバカしい作品が大好きだ。昨年「ルパンの娘」(フジテレビ系)で深キョンの可愛らしさを再認識したところだったので、見つけたらすぐに飛び付いてしまった。
画面に現れた深キョンの第一印象。「ルパンの娘」よりも少し野暮ったい。15年が経過して30代後半になろうというのにまだまだ可愛くなってることに驚愕した。
今の深キョンを知るからこそ、「富豪刑事」の神戸美和子を演じる深キョンが、まるで上京したての危なっかしいお嬢さんのように見えるのが楽しい。年の離れたいとこに会う感覚か。
何よりプロフェッショナルな見世物として、学芸会のような芝居が成り立っているところがスゴい。深キョンの演技というよりも夏八木勲さん、山下真司さんら回りを固めた俳優陣の力によるところが大きいだろう。
原作では男性だった
神戸美和子は巨万の富を一代で築いた喜久右衛門の孫娘。神戸家の財産を湯水のように捜査に注ぎ込む突拍子もないアイデアで、難事件を解決に導く。この設定だけを聞くと、大変嫌みな人物のように感じてしまう。
1975年から1977年にかけて発表された筒井康隆さんの原作では、主人公は神戸大助という男性で、キャデラックを乗り回し高級葉巻を途中で揉み消すなど金銭感覚はやはり尋常ではない。
一方、それ以外では極めて礼儀正しい常識人で、刑事としての給与と自身が自由に使える金額とのギャップに悩むなど好ましい人物に描かれ、金持ちの嫌みさは感じられない。
ドラマでは相手が脱力するほど天真爛漫な天然お嬢様キャラにすることで、嫌みさを消した。視聴者はただただ腹を抱えて笑っていればよい。
15年前の時代背景
時代的にはバブル崩壊から立ち直りつつあり、日本経済が再び活気づいていた頃。捜査のために会社や学校を作ったり、街のホテルを全て押さえたり、景気よく金を使うことが好感されたのだろうな。まもなくリーマンショックを迎えるわけだが。
気になったのは警察における女性の地位の低さ。所轄の警察署を舞台にしたコメディー作品なので、ろくな署員が揃っていない。
保身に走るサラリーマンのような中間管理職や、正義感ですぐに暴走する熱血漢や、仕事よりも恋愛を優先するミニスカ婦警などなど。
その中で刑事1課唯一の女性である主人公の役回りは、大富豪の祖父のコネで無理やり押し付けられた世間知らずのお嬢様。まだまだ女性の職場制限がまかり通っていたのだなぁ。
◇
続編となる「富豪刑事デラックス」(2006年)は有料となっている。500円とはいえ会費を払っていると追加の支払いが惜しくなる。しばらく見る機会はあるまい。これもまた「サブスク地獄」の一形態。