雑's ニュース なんでも書く

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「捜査一課長」は斉藤由貴という万能兵器を取り戻した

season4が放送中の刑事ドラマ「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日系、木曜午後8時~)がキワモノで面白い。タイトルだけなら本格ドラマと思えるが、むしろパロディーに近い。二時間ドラマのご都合主義をギャグとして取り入れたコメディー部分こそが一番の見どころだ。

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まずは新作の数がめっきり減った二時間ドラマの話から始めたい。主人公は、名刑事もしくは名探偵の役回りとなる様々な職業人が事件を謎解きしていくのが大半だ。

警察官、検事、判事、解剖医など捜査関係者なら事件との関わりも自然だが、設定が葬儀社、旅行代理店、温泉の女将、町医者など一般人になると、話の発端から強引な展開になるのがお約束。

容疑者を簡単に釈放するなど、実際の捜査と掛け離れている点が多数あっても、フィクションの一つと割りきって温かい目で見守ることが重要だ。

視聴者ファースト

解決に至る経緯も偶然に頼るケースが目立つ。犯人につながる目撃情報、遺留物などを後半になって主人公がたまたま発見したりする。初動捜査における大失態のはずだが、それが問題視されることはない。

動機は犯人が封印していた過去の因縁につながることが多いので、まともに推理しても大抵は無駄。しかし、不自然な場面割り、セリフなどで、犯人は自ずと分かるようにできているので視聴後の気分もよろしい。

細かいことには拘らずテンポよくストーリーは進んでいく。安心感のある老舗クラブのショーのように観客ファーストで完成したエンターテインメントこそが二時間ドラマなのである…と思う。

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斉藤由貴の復活

もともと「捜査一課長」は、二時間ドラマから昇格した連続ドラマだ。4/9から始まったseason4で斉藤由貴さんが演じる「大福」が帰ってきた。捜査一課の古株の女性刑事である。

現場で遺体を見ただけで被害者の人柄、職業、悩みまでを「カン」で言い当てる敏腕刑事だ。2時間ドラマ特有のご都合主義を一手に引き受ける最強兵器だ。

現場では内藤剛志さん演じる一課長、金田明夫さん演じる一課管理官と以下のやり取りをするのがお決まりである。

大福「この人は○○です」
管理官「どうして分かるんだよ」
大福「カンです」
管理官「カンだと(怒)」
一課長「管理官、大福のカンは特別だ」
管理官「ハイッ、頭の片隅に入れておきます」

斉藤由貴さんの不倫騒動以来、大福が登場しなくなり、安達祐実さんが演じる広報課の「萌奈佳」にその役回りが移ったが、強引さに欠けて物足りなかった。

時代劇好きの年寄り

カンで捜査を進める大福が復活したことでストーリー展開が速くなり、そのおかげで本田博太郎さん演じる刑事部長が唐突に現れて事件解決のヒントを授けたり、帰宅した一課長が妻との会話で解決の糸口に気付いたりするお約束の時間が増えた。

ストーリーの本筋は毎回どこかで聞いたような話ばかり。このドラマの愛好者はお約束のシーンが出てくる度に、かつての二時間ドラマを思い出しては苦笑し、予定調和のクライマックスを楽しんでいるのだろう。

年を重ねるとドラマの見方も変わってくる。なぜ昔の年寄りは飽きることなく時代劇ばかり見ていたのか。分かりつつある今日この頃。