ホッとする「素敵な選TAXI」 小市民的な幸せが心地よい
緊急事態宣言が解除され、巣籠もり生活も終わりを告げる。見逃してたドラマの再放送を見ることができたのは数少ない良かったことの一つ。
 |
価格:16,451円 |
イチオシは「素敵な選TAXI」（フジテレビ系、2014年）。竹野内豊さんが演じる、タイムマシンを兼ねたタクシーの運転手がストーリーテラーとなる。話好きの気のいいおっさんで、乗客に時間を遡って失敗をやり直すよう持ち掛ける。
イケメン、エリート役の印象しかない竹野内さんにコミカルな芝居が似合うとは思っていなかった。飄々とした演技が軽めのSFにハマっている。キャスティングにまず拍手。
一話完結でゲスト出演の俳優が演じる乗客が主人公となる。結婚、締め切りなど端からは些末に見えても、当人には大問題となる案件を解決するため、1～2時間と小刻みに過去へ遡る。
結局、タイムマシンという究極の道具を使いながら小市民的なハッピーエンドを示唆する終わり方が心地よい。連続ドラマはこのように明日へ引きずらないほうがいい。外に出れば嫌なことも増えるしね。
惹かれる理由
藤子不二雄Aさんならではの後味の悪さが癖になるアニメ「笑ゥせぇるすまん」（TBS系、1989～1992年）が人気を集めたのは日本がまだまだ元気だった頃。いま小さな幸せを感じる「選TAXI」に惹かれるのは、新型コロナ禍という社会不安のせいかもしれない。
脚本は喫茶店のマスター役で出演もしているお笑い芸人のバカリズムさんだった。竹内結子さんが主演した「スキャンダル専門弁護士QUEEN」（フジテレビ系、2019年）のキャラクター監修を務めていたことは知っていたが、こんなに才能豊かとは知らなかった。
今回の巣籠もり生活で過去のドラマをいま見ても十分に面白いことに気づいてしまった。志村けんさんの死去で昔のバラエティーで爆笑できることも。
巣籠もり生活が終わっても、無料期間が過ぎても、Amazonプライムを利用する機会は続きそうだ。まんまとハメられた気がしないでもないが。
▼ドラマの話
▼音楽の話
▼ラジオの話
