雑's ニュース なんでも書く

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大手メディアは上級国民そのもの 新型コロナ報道

 「自粛疲れ」という報道にカチンとくる――。国際政治学者の三浦瑠璃さんは緊急事態宣言が延長される5/4のツイッターで、大手メディアに「大企業正社員的感覚は心して補正」するよう求めた。

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民間シンクタンクエコノミストが緊急事態宣言を一カ月延長した場合、「失業者が77万人になる」と分析した記事を数日前に読んで驚いた。てっきり大騒ぎになるかと思ったら、ニュース等では地味な扱いでさらに驚かされた。

他にもアメリカの失業率が10~20%まで上昇する可能性を根拠に「失業者は600万人に跳ね上がる」との推測記事や、コロナ禍の収束に2年かかると「悲観」すれば、失業との相関関係から「自殺者が過去最悪の約4万人に上る」とのレポートも目にした。

三浦さんはツイッターで「コロナ不況で47%が失業の不安を抱えている」という独自調査したデータを示したうえで「大企業の正社員は全体のごく一部」と一般の人が抱えている不安に鈍感な大手メディアに苦言を呈したのだ。

「自粛疲れ」にカチン

そもそも三浦さんは緊急事態宣言でも出掛ける人が少なからず存在していることを指して、大手メディアが「自粛疲れで息抜きしている」などと報道したことに不快感を持った。

「選択肢があって快適さのためだけに国民がわがままを言ってるから聞いてあげよう、みたいに聞こえるからです」と理由を述べ、「資金繰りに奔走してる経営者は自粛疲れしてるわけじゃないし、クビになった人は自粛疲れで説明できないから」と続けた。

「自粛疲れ」という深刻さに欠けた言葉を多用すること自体が、当事者の必死さに思いが至らない大所高所からの見方だと言いたいのだろう。同感だ。

取材現場に自粛なし?

大手メディアの特権意識がうかがわれる現象は多々ある。

ニュースを伝えるテレビ局のスタジオではソーシャル・ディスタンスを取って体裁を整えているが、首長が外出先で囲み取材を受ける映像の背景にはカメラマンらの密集が映り込んでいる。

よく見ると指向性マイクやケーブルを抱えたアシスタントまで付いている。外出自粛を呼び掛けていることを考えれば、代表取材で十分なケース。人員も最低限に抑えるべき。

「競争原理こそがメディアの生命線」などと言うのなら、それこそ特権意識。もっともいま挙げたケースはオープンスペースでの取材なので、競争する価値すらないと思うが。

鼻白む記者会見

「声を上げることができない弱者に代わって」。記者会見で質問する大手メディアの人間が枕詞にそう話すのを度々耳にしたことがある。鼻白む思いだ。

緊急事態宣言の延長に伴って補償がどうなるのか。とくに東日本大震災でも適用された「みなし失業」の扱いなどを知りたかったのだが、5/4の首相会見では突っ込み不足に終わった。関心が薄いのかね。高給取り多いもんね。

本当に確認したいことは記者会見では質問しないとは聞くが、ならばそんな茶番の映像など最初から流さないでほしい。プロパガンダでしかない。

新型コロナ禍の状況下では、記者会見もテレワークで十分。ソーシャル・ディスタンスが導入されたことで出席できる人数が減ったこともある。互助会的な記者クラブ所属の大手メディアは会見に残り、斬り込んだ質問をするフリー記者は結果的に排除されている。

ジャーナリストの江川紹子さんが提言したように、テレワークで全メディアから質問を受ける形で会見ができないものか。質問一覧を画面に表示すれば、意図的に相性の悪いメディア、都合の悪い質問を避けていることも明白になる。見る側のメリットは多いだろう。

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